翡翠のビオトープ

不協和音に満ちた世の中の静穏な間奏。

知のジレンマ

 

自由の喜びを知ったのに、

      社会の中で自由ではないことを知った
愛情の強さを知ったのに、
      愛情が脆く情けないことを知った
信念の重みを知ったのに、
      自分を信じられなくなることを知った
情熱の火力を知ったのに、
      風前の灯火になることも知った
幸せの糸口を知ったのに、
      すぐに幸せにはなれないことを知った
使命の萌芽を知ったのに、
      使命感に押し潰されそうになることを知った
孝行の必要を知ったのに、
      目前にすると素直になれないことを知った
成功の旨みを知ったのに、
      成功という言葉が響かないことを知った
生命の尊さを知ったのに、
      死を考える自分もいることを知った
知識の豊かさを知ったのに、
      時には手放さないといけないことを知った

 

破壊の恐怖を知ったのに、

      時には自分を壊した方が良いことを知った
恐怖の深みを知ったのに、
      勇気が沸いてくることを知った
屈辱の衝撃を知ったのに、
      屈辱が原動力となることを知った
不安の粘着力を知ったのに、
      翌朝には心機一転していることを知った
孤独の切なさを知ったのに、
      人に温かみを与えようと思うことを知った
失敗の苦痛を知ったのに、
      いつの間にか失敗でなくなることを知った
逃避の不甲斐なさを知ったのに、
      その対象が変化の種であることを知った
挫折の痛みを知ったのに、
     傷もまた人生を色鮮やかにすることを知った
逆境の厳しさを知ったのに、
     心が強くなり人に優しくなれることを知った
破滅の苦難を知ったのに、
     零から新たに積み上げていけることを知った

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